〈小説「新・人間革命」〉 誓願 九十一 2018年7月13日



 法悟空 内田健一郎 画 (6421)

 ガビリア大統領は、山本伸一の訪問を心から歓迎し、コロンビアの「サン・カルロス大十字勲章」を贈った。
 さらに、この日、伸一は、「日本美術の名宝展」の開幕式に出席し、ここでも文化庁長官から、「文化栄光勲章」を受けている。
 九日、彼は、空路、ブラジルのリオデジャネイロへ向かった。
    
 リオデジャネイロの国際空港では、伸一が到着する二時間前から、一人の老齢の紳士が待ち続けていた。
 豊かな白髪で、顔には、果敢な闘争を経てきた幾筋もの皺が刻まれていた。高齢のためか、歩く姿は、幾分、おぼつかなかったが、齢九十四とは思えぬ毅然たる姿は、獅子を思わせた。今回の伸一の招聘元の一つである、南米最高峰の知性の殿堂ブラジル文学アカデミーのアウストレジェジロ・デ・アタイデ総裁である。
 彼は、当時の首都リオデジャネイロの法科大学を卒業後、新聞記者となり、一九三〇年代、自国の独裁政権と戦った。投獄、三年間の国外追放も経験した。戦後は第三回国連総会にブラジル代表として参加し、エレノア・ルーズベルト米大統領夫人や、ノーベル平和賞を受賞したフランスのルネ・カサン博士らと、「世界人権宣言」の作成に重要な役割を果たしてきた。その後もコラムニストとして差別との戦いに挑み、文学アカデミーの総裁に就任後も、言論戦を展開し続けていた。
 総裁は、ヨーロッパ在住の友人から、伸一のことを聞かされ、著作も読み、また、ブラジルSGIメンバーと交流するなかで、その思想と実践に強い関心と共感をいだき、伸一と会うことを熱望してきたという。
 空港で、今か今かと伸一の到着を待つ総裁の体調を心配し、「まだ休まれていてください」と気遣うSGI関係者に、総裁は言った。
 「私は、九十四年間も会長を待っていた。待ち続けていたんです。それを思えば、一時間や二時間は、なんでもありません」

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